犬の散歩中、公園や街角でふと「この犬と飼い主さん、そっくり!」と感じたことはありませんか?
実はそれ、単なる偶然や気のせいではなく、心理学や行動学の研究によって科学的にも裏付けられた現象なのです。
この記事では、最新の研究結果をもとに、犬と飼い主がなぜ似るのかについて解説します。
愛犬との共通点を考えながら、ぜひ読み進めてみてください。
犬と飼い主の外見は似ている?【心理学実験による証明】
Michael Roy博士の有名な研究
心理学者 Michael Roy博士とNicholas Christenfeld博士 は、公園で犬と飼い主を別々に撮影し、第三者に「どの犬と飼い主がペアか」を当ててもらう実験を行いました(Roy & Christenfeld, 2004)。
その結果、多くの被験者が高い正解率でペアをマッチさせることに成功しました。
特に雑種犬よりも純血種の犬では、この傾向が顕著だったと報告されています。
- 髪の長い人は、毛が長く耳の垂れた犬を選ぶ傾向
- ふくよかな人は、やや体格のしっかりした犬を選ぶ傾向
- 目を隠した場合、正解率が下がった(目も重要な特徴)
この結果から、人は無意識のうちに自分と似た特徴を持つ犬を選んでいる可能性が示唆されました。
参考文献
Roy MM, Christenfeld NJS. Do dogs resemble their owners? Psychological Science. 2004 May;15(5):361-3.
犬と飼い主の性格も似る?【行動学的な研究結果】
Borbala Turcsan博士の研究
続いて、犬の性格と飼い主の性格についても興味深い研究があります。
Borbala Turcsán博士らの研究では、犬と飼い主がどの程度性格的な共通点を持つのかが分析されました(Kis et al., 2012)。
その結果、夫婦や友人よりも犬と飼い主の方が性格が似ている傾向が強くみられることがわかりました。
研究チームはこの現象について、次のように考察しています。
- 犬が飼い主の行動を真似て性格が似たわけではない
- むしろ、飼い主が自分と似た性格の犬を選ぶ傾向がある
- 犬は長期間生活を共にするパートナーであるため、相性を重視した選択が自然と行われている可能性
つまり、外見だけでなく性格面でも飼い主と犬が似る傾向が科学的に示されたのです。
参考文献
Kis A, Turcsán B, Miklósi Á, & Gácsi M. (2012). The effect of the owner’s personality on the behaviour of owner-dog dyads. Interaction Studies, 13(3), 373–385.
犬はまさに「自分の鏡」のような存在
これらの研究を総合すると、犬は外見も性格も飼い主を反映する存在といえるでしょう。
犬は私たちと同じ生活を共有し、喜怒哀楽を共にするパートナーです。
さらに、人間とは違い無条件に寄り添ってくれる特別な存在でもあります。
犬を「親友」や「家族の一員」と考えるのは、科学的にも自然な感覚と言えるでしょう。
まとめ 〜犬と飼い主の似ているポイントを探してみよう〜
犬と飼い主が似ている現象は、心理学と行動学の研究から根拠のある事実として確認されています。
これからお散歩やドッグランに出かけた際は、他の犬と飼い主さんの「似ているポイント」を探してみてください。
- 髪型
- 体型
- 雰囲気
- 歩き方や表情 など
きっと今まで以上に、愛犬との絆や周囲の犬たちを見る楽しみが広がることでしょう。