犬の血小板の異常(血小板増加症/減少症)

動物病院で血液検査を行った際に、その結果を理解するための手助けとなるように記事を作成しました。愛犬の血液検査の結果を片手にご覧ください。

ただし、以下の点にご注意ください。

  • 正常値は、機械や検査会社ごとによって異なりますので、血液検査に記載されているデータを参照してください。参考正常値として、富士フィルムモノリスさんの正常値を記載してあります。
  • 検査結果が正常値を外れている場合でも、病気とは限らないので、担当の獣医さんに良く話を聞くようにしましょう。
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血小板とは

血小板とは、血液に含まれる細胞で、骨髄中の巨核球の細胞質から産生されます。主に、血管壁が損傷した時に集合してその傷口をふさぎ、止血する役割を持ちます。

出血などで血管内皮細胞が傷害を受けると、血小板が血管内皮に接着し、血小板どうしが凝集し傷口を塞いで血栓を形成します。これを一次止血と呼びます。

その後、ここから凝固因子が放出されることによって、血液中にあるフィブリンが凝固し、さらに血小板や赤血球が捕らわれて、強固な止血栓が完成します。これを二次止血と呼びます。そして、これらが乾燥したものを一般に、「かさぶた」と呼びます。

なお血小板は、出血などが起こらない限り、一定期間存在したのち脾臓で処理されます。

血小板数が高値を示すことを血小板増加症と呼び、低値を示すことを血小板減少症と呼びます。

(参考正常値:20~40×10⁴/μl)

血小板増加症

血小板増加症は、血小板産生速度が増加する急性出血や悪性腫瘍で一般的にみられますが、脾臓腫瘍に伴う脾臓機能低下でみられることもあります。
急性出血、悪性腫瘍脾臓、腫瘍に伴う脾臓機能の低下、巨核芽球性白血病(腫瘍性増殖)

血小板減少症

血小板減少症は、骨髄における産生能力の低下、血小板消費・破壊の亢進そして血小板の分布の異常により起こることがあります。

なお2.0×10⁴/μl未満で、血小板減少症による出血傾向が起こるとされています。

血小板の低下時は出血が抑制できない出血傾向が生じており、皮膚の中での出血を示す「紫斑(紫色のアザ)」がみられることがあります。

産生の低下

骨髄における血小板産生能力の低下によるもので、血小板だけでなく骨髄で作られる赤血球や白血球も減少する場合(汎血球減少症)と、血小板のもととなる巨核球のみが減少する場合とがあります。
汎血球減少症を引き起こすものとして、骨髄異形成症候群(MDS)や再生不良性貧血があります。
汎血球減少症、巨核芽球性白血病(分化成熟異常)

消費・破壊の亢進

血小板の消費の亢進や破壊によるものです。
大出血、免疫介在性血小板減少症(自己免疫疾患)

血小板分布の異常

血小板の多くは、脾臓には分布しているため、脾臓機能が亢進すると血小板分布がさらに増加し、その結果血小板減少を引き起こします。
脾臓の腫大、高体温、門脈高血圧

まとめ

犬の血小板の異常である血小板増加症と血小板減少症について解説しました。

検査結果が正常値を外れている場合でも、必ずしも病気とは限りません。病気は、血液検査のみならず身体検査や他の検査も行って診断していきます。状況により、経過観察を行ったりさらに詳しい検査を行うことがあります。

血小板増加症の時には、まず出血や腫瘍のチェックを行います。追加検査としてレントゲン検査や超音波検査などの画像診断を行い、そこで異常が見られない場合には骨髄での異常を考え、骨髄の検査を行う場合もあります。

また血小板減少症の時には、消費・破壊の亢進と分布の異常をチェックし、異常がなければ産生の低下を考え、骨髄の検査を行うことがあります。

血液検査の結果で心配な事がある時には、動物病院で獣医さんに遠慮なく質問してみましょう。

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