血液検査 犬の炎症マーカー(CRP)の異常を丁寧に解説 炎症の有無や程度を反映する検査を炎症マーカーと総称しますが、C反応性蛋白( CRP)が犬の炎症マーカーとして臨床応用されています。CRPは炎症性疾患、感染症、腫瘍がある場合に高値となることが多く、特に全身に影響が及ぶ疾患において顕著です。炎症性疾患、感染症、腫瘍がある場合に高値となることが多く、特に全身に影響が及ぶ疾患において顕著です。 2021.05.05 血液検査
血液検査 犬の白血球の異常(白血球増多症/低下症)を丁寧に解説 白血球は、生体の防御に関わる免疫を担当する役割を持ち、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球の5つに分類されます。白血球数増加の原因として、感染症や炎症、アレルギーなどによって反応性に増加している場合と、造血器系腫瘍などで腫瘍性に増殖している場合があります。白血球減少の原因は白血球の消費が産生よりも多い激しい白血球の消費と、白血球が産生される骨髄に問題が起きている骨髄の問題に分類されます。 2021.05.04 血液検査
血液検査 犬の赤血球系(RBC,Hb,HCT)の異常(多血症/貧血)を丁寧に解説 赤血球は骨髄で産生され、その寿命は約120日であり、古くなると脾臓や肝臓で処理されます。貧血には赤血球の破壊や喪失が原因で骨髄には原因がない再生性貧血と、骨髄での造血機能の低下を原因とする非再生性貧血とがあり、多血症(赤血球増加症)の原因は、相対的増加の場合と、絶対的増加の場合があります。 2021.05.03 血液検査
血液検査 犬の血小板の異常(血小板増加症/減少症)を丁寧に解説 血小板とは、血液に含まれる細胞で、骨髄中の巨核球の細胞質から産生されます。主に、血管壁が損傷した時に集合してその傷口をふさぎ、止血する役割を持ちます。血小板の低下時は出血が抑制できない出血傾向が生じており、皮膚の中での出血を示す「紫斑(紫色のアザ)」がみられることがあります。 2021.05.02 血液検査
血液検査 犬のBUNとクレアチニンの異常(腎機能)を丁寧に解説 犬のBUNとクレアチニンは腎臓機能に関わる数値です。腎臓の機能が正常の1/4以下に低下すると、血中尿素窒素はクレアチニンと共に上昇すると言われており、この状態を「高窒素血症」と呼びます。そして、慢性腎臓病の病期(ステージ)は、クレアチニン値により分類されています。 2021.05.01 血液検査
血液検査 犬の葉酸とコバラミン(VB12)の異常を丁寧に解説 葉酸とコバラミン(ビタミンB12)は、核酸代謝などに関与する水溶性のビタミンです。通常は、貯蔵が十分ありますので、低値は長期にわたる栄養の吸収不良を反映している場合があります。葉酸は空腸で吸収され、コバラミン(ビタミンB12)は回腸で吸収されるため、それらの血中濃度は小腸が障害を受けていれば吸収不良により低下します。 2021.04.29 血液検査
血液検査 犬の総コレステロール(T-cho)の異常を丁寧に解説 総コレステロールとは、血液中に含まれる全てのコレステロール(HDLコレステロールやLDLコレステロールを含めた)の総量のことです。高コレステロール血症の原因として、コレステロール生成の増加、脂肪の分解またはリポ蛋白の血管内処理の減少、そして遺伝などが考えられます。総コレステロール値の低値は、甲状腺機能亢進症、アジソン病、肝障害などの病気に続発性して起こることがあります。 2021.04.29 血液検査
血液検査 犬の総ビリルビン(T-bil)の異常(黄疸)を丁寧に解説 ビリルビン濃度の上昇は、病気の存在を示しています。そして、血液中の総ビリルビン濃度が2.0〜3.0mg/dl以上になると皮膚や粘膜が黄染した状態になり、これを「黄疸」と言います。総ビリルビンが高値を示す場合には、溶血性貧血(肝前性黄疸)、肝臓の異常(肝性黄疸)そして肝外胆道閉塞(肝後性黄疸)の3つに分類されます。 2021.04.29 血液検査
血液検査 犬の電解質(Na-k-Cl)の異常を丁寧に解説 電解質とはナトリウムやクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど水に溶けると、イオンとなるミネラルのことです。カリウム高値は、腎臓の機能が低下し尿量が少なくなることが原因となり、低値は嘔吐や下痢の時に水分と一緒にカリウムも体外に排出されてしまうことが原因となります。 2021.04.29 血液検査
血液検査 犬のカルシウム(Ca)の異常を丁寧に解説 血液検査の結果で表示されているカルシウムは、通常総カルシウム濃度を示しています。血清中のカルシウム濃度は、上皮小体という甲状腺に密着または埋没して存在する小型の内分泌器官から分泌される上皮小体ホルモン(PTH)でコントロールされています。高カルシウム血症は、上皮小体の腫瘍化、あるいは他の組織の腫瘍に関連して調節機構が働かず制御できないPTHまたはPTHrP分泌が起こることが原因となります。 2021.04.29 血液検査
血液検査 犬の肝酵素(AST, ALT, ALP)の異常を丁寧に解説 AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、GGT(γ-GTP)といった酵素は、特に肝臓の細胞に多く含まれることから肝酵素と呼ばれています。これらの肝酵素は、肝疾患で上昇がみられます。肝臓の機能を評価するためには、肝酵素と同時にアルブミンの低下や血液尿素窒素(BUN)の低下、そしてアンモニアの増加なども併せて測定しする必要があります。 2021.04.28 血液検査
血液検査 犬の無機リン(IP)の異常を丁寧に解説 リンはミネラルの一種で、カルシウムについで量が多いミネラルです。無機リンは、カルシウムとともに骨の重要な構成成分です。無機リンの高値を「高リン血症」と呼び、その原因として最も頻度が高いのが、腎不全による排泄量の低下によるものです。その他には骨疾患、内分泌疾患、リンの供給過剰などが挙げられます。 無機リンの低値を「低リン血症」と呼び、腎臓からの喪失、細胞内への移動、腸管での吸収の低下などが原因として考えられます。 2021.04.28 血液検査