研究チームは、2004年4月から2019年3月までの15年間に報告のあったデータを分析した。なお、農林水産省によると、この間に累計7257万3199回のワクチン接種（年間平均483万8213頭）が行われている。麻布大学の論文によると、重篤な副反応の報告数が317件（発生率としては0.44/100,000にあたる）で、そのうちの109件がアナフィラキシー症状と判断され、回復せずに死亡した犬が71頭いた。情報不足等の事情でアナフィラキシーとは断定できない症例を加えると、合計で171頭（同0.24/100,000）の犬が命を落としている。
狂犬病ワクチンの重篤な副反応で年10頭前後が死亡…麻布大などの研究チームが発表（出典：REANMAL 2021.7.17）
ニュースの概要
東京環境アレルギー研究所と麻布大学の共同研究チームが狂犬病ワクチンの副反応に関する論文を発表しました。
対象
2004年4月から2019年3月までの15年間に報告のあったデータを分析。
農林水産省によると、この間に累計7257万3199回のワクチン接種（年間平均483万8213頭）が行われている。
結果
重篤な副反応の報告数が317件（発生率：0.44/100,000）。その内、109件がアナフィラキシー症状と判断され、71頭が死亡した。
情報不足等の事情でアナフィラキシーとは断定できない症例を加えると、合計で171頭（同0.24/100,000）の犬が死亡した。
死亡したケースでは、ワクチン接種後1時間以内に循環器系（低血圧、徐脈、チアノーゼなど）症状のほか、嘔吐・下痢といった消化器系や呼吸困難・過呼吸などの呼吸器系トラブルが多く見られた。
なお、過去の論文では、混合ワクチンのアナフィラキシー発症率は72/100,000とされている。
まとめ
全てのワクチンには、副反応の可能性が存在します。そのため、①なるべく体調のいい時に接種する、②副反応があっても対応できるように午前中に接種する、③信頼できるかかりつけの動物病院を作ることを普段から心がけるようにしましょう。