犬の骨髄性白血病

人で「血液のがん」と呼ばれる白血病という病気がありますが、同様の病態が犬にも存在します。

白血病は大きく「骨髄性白血病」と「リンパ性白血病」に分かれますが、犬の骨髄性白血病について解説します。

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骨髄性白血病とは

骨髄は骨の中に存在する組織で、あらゆる血球系細胞(赤血球、白血球、血小板のもとになる巨核球など)に分化できる造血幹細胞が存在します。

造血幹細胞とは
骨髄に存在し、あらゆる血球系細胞(赤血球、白血球、血小板のもとになる巨核球など)に分化できる細胞
造血幹細胞は各種の血球系細胞へ分化し、成熟した細胞として血液中に放出されます。そして分化の過程は大きく分けて、白血球の一種であるリンパ球をつくる「リンパ系」と、それ以外の白血球、赤血球、血小板をつくる「骨髄系」の2つがあります。
骨髄系の過程の細胞が腫瘍化したものを「骨髄性白血病」、リンパ系の過程の細胞が腫瘍化したものを「リンパ性白血病」と呼びます。
骨髄性白血病とは
骨髄系の過程の細胞が腫瘍化したもの
腫瘍化した骨髄内の腫瘍細胞(白血病細胞)は、徐々に増殖し骨髄を占拠していきます。そうすると、正常な血球系細胞が減少し、貧血、好中球減少、血小板減少などがみられるようになります。
骨髄性白血病は、病気の進行のパターンから「急性骨髄性白血病」と「慢性骨髄性白血病」に大別されます。

原因

一般的に腫瘍は、遺伝子や染色体に傷がつくことで発症すると考えられていますが、そのしくみは完全には解明されていません。
なお、人の慢性骨髄性白血病では、95%以上でフィラデルフィア染色体という異常な染色体が見つかるとされています。

骨髄性白血病の症状

急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病で、症状が異なります。

急性骨髄性白血病

特徴的な症状が出ることは少なく、元気消失、食欲不振、体重減少などがみられます。
また、腫瘍細胞が骨髄を占拠することによる赤血球減少、好中球減少、血小板減少にともない、貧血、免疫力低下による感染症、出血が抑制できない出血傾向などが起こる可能性があります。さらに、眼の病変が多くみられるとされています。

慢性骨髄性白血病

無症状のことが多いとされています。しかし病気の進行にともない、急性骨髄性白血病と同様の症状がみられるようになります。
また、顕著な脾臓の腫大を伴うことが多いとされています。
症状のポイント
元気消失、食欲不振、体重減少などと、貧血、免疫力低下による感染症、出血が抑制できない出血傾向など。慢性骨髄性白血病では、無症状のこともある。

骨髄性白血病の診断と治療

診断

血液検査で、特定の血球系細胞の増殖がみられることが多いです。しかし中には、血液中の腫瘍細胞が少ない場合もあるようです。
そして確定診断は、骨髄検査になります。
診断のポイント
特定の血球系細胞の増殖と骨髄検査

治療

急性骨髄性白血病の治療は、抗がん剤による化学療法を行いますが、非常にまれな病気であるため、治療に関する情報は乏しいとされています。
また、慢性骨髄性白血病では臨床症状がなければ治療せずに経過を見ることが推奨されています。
治療のポイント
急性骨髄性白血病では、抗がん剤による化学療法
慢性骨髄性白血病では、臨床症状がなければ経過観察

予後

急性骨髄性白血病は、延命が困難であるとされています。慢性骨髄性白血病は、ゆっくり進行する病気のため、比較的長期間生存することができるとされています。

まとめ

犬の骨髄性白血病について解説しました。急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病では、病気の進行のパターンが大きく異なるため、注意が必要です。
急性骨髄性白血病では、今後の病態のさらなる解明と新しい治療法による、予後の改善が期待されます。
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