腫瘍

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犬のリンパ腫を丁寧に解説

リンパ腫は、白血球の一種であるリンパ球が腫瘍化したものです。リンパ系組織(リンパ節、リンパ管、脾臓、胸腺、扁桃など)で発生する悪性腫瘍です。多中心型リンパ腫は、犬で最も多くみられるタイプのリンパ腫です。全身の皮膚の下にあるリンパ節が左右対称性に大きくなるのが典型的な症状です。
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犬のインスリノーマ(膵臓腫瘍)を丁寧に解説

膵臓β細胞の機能的な腫瘍で、低血糖に関連した症状を起こす病気です。犬のインスリノーマでは、発作が48~62%でみられます。①低血糖に併発する高インスリン血症と、②そして膵臓での腫瘍の検出で診断されます。最終的に、病理組織学的検査を行い、確定診断を行います。
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犬の扁平上皮癌を丁寧に解説

皮膚や口腔などの体の表面を覆う扁平上皮が腫瘍性増殖した悪性腫瘍です。犬の扁平上皮癌の代表的なものに、皮膚の扁平上皮癌と口腔の扁平上皮癌の2つのタイプがあります。皮膚の扁平上皮癌は、犬の皮膚腫瘍の約6%を占めます。口腔の扁平上皮癌は、3大口腔内悪性腫瘍の一つです。
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犬の乳腺腫瘍を丁寧に解説

乳腺に発生する腫瘍で良性の場合と悪性の場合があり、悪性と判明すると乳腺癌と呼ばれます。乳腺腫瘍の良性と悪性の比率は1:1です。ただし、小型犬の方が大型犬に比べて、良性腫瘍の比率が高いです。卵巣からのホルモン(エストロジェンやプロジェステロン)が、乳腺腫瘍の発生原因となります。
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犬のメラノーマ(黒色腫)を丁寧に解説

色素細胞(メラノサイト)が腫瘍性増殖化したものです。発生部位により皮膚メラノーマ、口腔内メラノーマ、爪床メラノーマ以下の3つに分類され、それぞれで悪性度が異なります。皮膚メラノーマの症状は、皮膚のできものです。腫瘍細胞がメラニン顆粒を含むため、黒色もしくは褐色のできものとしてみられますが、メラニン顆粒を含まないメラノーマも存在します。
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犬の肥満細胞腫を丁寧に解説

肥満細胞が腫瘍性増殖したもので、犬の皮膚腫瘍では最も発生頻度が高い腫瘍です。症状は、皮膚(真皮や皮下組織)のできもので、その病変部分で脱毛がみられる場合もあります。針生検で診断を行い、細胞質内に深紫色に染まる顆粒がみられることが特徴です。治療は、外科手術や放射線療法による局所の治療を行います。
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犬の血管肉腫を丁寧に解説

血管内皮細胞が腫瘍性増殖したもので、脾臓に最も多く発生する腫瘍です。脾臓の2/3ルールというものが存在します。これは、脾臓でみつかったできものの2/3は悪性腫瘍で、そのさらに2/3が血管肉腫であるというルールです。腫瘍が大きくなったり、腹水が貯留することで、お腹が膨らんでくる症状がみられます。
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犬の多発性骨髄腫を丁寧に解説

形質細胞(別名:プラズマ細胞)が骨髄内で悪性腫瘍化した病気です。歩行の異常や骨の痛みを訴えることが典型的な症状です。多発性骨髄腫には診断基準があり、下記4項目の内2項目を満たすこととされています。血液蛋白電気泳動でのモノクローナルガンモパチーの検出、レントゲン検査での骨融解像、骨髄検査で形質細胞が10%を超えて検出される、ベンスジョーンズタンパク尿の検出
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犬のグルカゴノーマを丁寧に解説

膵臓α細胞の機能的な腫瘍で、高血糖などのグルカゴン過剰分泌に関連した症状がみられる病気です。高血糖や尿糖の排泄がみられ、水をたくさん飲んでたくさんおしっこをする(多飲多尿)などの糖尿病の症状がみられます。さらに、筋力の低下や体重減少などがみられます。
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犬の骨肉腫を丁寧に解説

骨に発生する悪性腫瘍です。骨肉腫は、高い確率で肺への転移がみられます。外科手術で腫瘍を切除しても、最終的には90%以上が肺転移で死亡すると報告されています。上腕骨や大腿骨などの付属骨格の骨肉腫の場合には、歩行の異常がみられます。症状が進行した場合、最終的に骨折を起こしてしまいます。
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犬のガストリノーマを丁寧に解説

ガストリンというホルモンを過剰に分泌する腫瘍で、胃酸の分泌過剰に関連した症状を起こす病気で、主に膵臓や十二指腸でみられる腫瘍です。慢性嘔吐、元気や食欲の低下、体重減少、吐血、血便(黒色便)、粘膜蒼白、そして腹痛などの消化器症状がみられます。診断が困難な腫瘍のひとつであり、血液検査、レントゲンや超音波検査などの画像検査、内視鏡検査などを行い、総合的に判断していきます。
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犬の骨髄性白血病を丁寧に解説

白血病は、血液のがんです。骨髄性白血病とは、骨髄の骨髄系の過程の細胞が腫瘍性増殖したものです。腫瘍化した骨髄内の腫瘍細胞(白血病細胞)は、徐々に増殖し骨髄を占拠していきます。そうすると、正常な血球系細胞が減少し、貧血、好中球減少、血小板減少などがみられるようになります。