犬の色素性角膜炎

色素沈着とは、色素細胞から過剰に分泌されたメラニン色素が表皮や真皮に沈着して起こる黒ずみのことを指します。

短頭種の中でも特にパグに好発するとされている、犬の色素性角膜炎について解説します。

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犬の色素性角膜炎とは

色素性角膜炎は、角膜に色素が沈着する状態をいいます。病気の初期には、内眼角側から色素沈着が生じ、重度になると角膜全体に色素沈着が広がります。

短頭種に好発しますが、特にパグに好発することが知られています。この病気は、性別により発症に差があり、避妊した雌での発症が少ないそうです。

このため、この病気は遺伝性があり、重症化には性ホルモンの影響があるのではないかと考えられています。

さらに、毛色により重症度に差があり、黒色のほうが、黄褐色の毛色よりも角膜の色素沈着の程度が軽度であるとされています。

なお色素性角膜炎という病名について、角膜メラニン色素沈着症や色素性角膜炎と呼ぶ事が提唱されています。その理由としては、乾性角結膜炎などによる角膜色素沈着との区別をする必要性があるためです。

犬の色素性角膜炎
短頭種特にパグに好発し、角膜に色素が沈着する病気

色素性角膜炎の症状

病気の初期には、内眼角側から色素沈着が生じ、重度になると角膜全体に色素沈着が広がります。色素沈着とは、色素細胞から過剰に分泌されたメラニン色素が角膜に沈着して起こる黒ずみのことを指します。

この病気では通常、血管新生を伴わないとされていますが、重症になると血管新生を伴う事があるとされています。血管新生とは、角膜は本来、血管がないため、慢性的な角膜の酸素不足により角膜周辺部から中央部に向かって血管が生まれ、酸素を供給しようとすることを指します。なお、初期の角膜血管新生の場合は、血管は徐々に消えますが、中度以上の場合は、完全に消えず、残ってしまう場合もあります。

また、涙液量は減少傾向にあることが多いとされていますが、症状との重症度との間に関連性は無いと考えられています。

症状のポイント
初期に内眼角側から色素沈着が生じ、重度になると角膜全体に色素沈着が広がる

色素性角膜炎の診断

色素性角膜炎の診断は、角膜の色素沈着を確認することで診断します。さらに、慢性表在性角膜炎や乾性角結膜炎を除外するために、スリットランプ(眼科用顕微鏡)やシルマーティアーテスト(涙の量を調べる検査)を行います。

典型的な色素性角膜炎では、乾性角結膜炎を伴わないとされています。

診断のポイント
角膜の色素沈着を確認することで診断する

色素性角膜炎の治療

色素性角膜炎には根本的な治療法は無いとされていますが、グルココルチコイド(ステロイド)点眼やシクロスポリン点眼、角膜保護剤の点眼などが行われています。

もし内眼角の涙丘からの被毛が角膜を刺激している場合には、涙丘切除ならびに内眼角形成手術を行います。

治療のポイント
根本的な治療法は無いとされている

まとめ

犬の色素性角膜炎について解説しました。この病気は、内眼角側から色素沈着が生じ、重度になると角膜全体に色素沈着が広がるのが特徴で、短頭種の中でも特にパグに発症が多いとされています。

残念なことに、この病気の根本的な治療法は無いとされています。

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