犬の神経膠腫(グリオーマ)

人と同じで犬にも脳腫瘍が存在します。人の脳腫瘍で20~30%を占める神経膠腫は、摘出が困難なことが多いため、脳腫瘍全体の5年生存率が約80%なのに対し、そのおよそ半分程度だといわれています、そして、犬でも同様に神経膠腫は摘出が困難な腫瘍であるといわれています。

高齢犬で発生し症候性てんかんの原因となる、犬の神経膠腫について解説します。

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犬の神経膠腫(グリオーマ)とは

神経膠腫とは、脳実質から発生する脳腫瘍および髄内から発生する脊髄腫瘍のうち、グリア細胞(膠細胞)由来のものを指します。グリア細胞(神経膠細胞)とは、神経系を構成する神経細胞ではない細胞の総称です。つまり神経膠腫とは、膠細胞に由来する腫瘍性疾患を総称的に表す言葉です。神経膠腫は、脳内で浸潤性に発育するものが多く含まれるため、悪性腫瘍として扱われることが多いです。

なお、神経膠腫はその由来する膠細胞の種類によって、星細胞腫、乏突起細胞腫、上衣腫、脈絡叢腫瘍、髄芽腫などの分類があります。

また、ボクサーやボストンテリアなどの短頭種での発生が多い傾向があります。

神経膠腫の症状

脳腫瘍は潜行性に発症し、緩徐な進行性の神経症状を呈する高齢犬やてんかん発作の急性発症を伴う5歳以上の場合に疑われます。

てんかん発作、旋回、行動異常(攻撃性など)、意識状態の変化および食欲不振や元気消失などの非特異的な症状が一般的にみられますが、症状は脳内の病変部位によります。

神経膠腫は、脳の病気により引き起こされる症候性てんかんの原因の一つであり、脳炎や脳血管障害などその他の症候性てんかんを引き起こす原因との鑑別が重要です。

神経膠腫の診断と治療

診断

比較的高齢で神経症状がみられる犬で、脳の精査を目的としてMRI検査を実施すると、脳に発生する腫瘍性病変を発見することができます。

神経膠腫は脳実質内腫瘍であり、髄膜腫のような脳実質外性腫瘍との鑑別は、注意深い読影によって可能であるとされています。

画像上の特徴や発症部位からある程度の組織型も類推可能であるとされていますが、確定診断には病理組織検査が必要とされています。

治療

発生部位によって、外科手術による摘出が可能かどうか判断します。また、髄膜腫に比べると手術手技の難易度が高いことから、放射線療法を選択することもあります。

予後

外科手術により腫瘍組織が摘出できれば良好な予後が期待できますが、実際には困難なことが多いです。しかし、ある程度腫瘍組織の減容積行えれば、神経症状は劇的に改善するとされています。

まとめ

犬の神経膠腫について解説しました。犬の最も多い脳腫瘍の髄膜腫と比較すると外科手術での完全な摘出が困難であることが多いため、予後には注意が必要です。

症状の緩和のために手術をするか放射線療法を行うかなどを、担当の獣医さんとよく相談をされると良いでしょう。

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