犬の髄膜種

人と同じで犬にも脳腫瘍が存在します。日本で最も多い脳腫瘍は髄膜種であるといわれていますが、それは犬でも同様です。

高齢犬で発生し症候性てんかんの原因となる、犬の髄膜種について解説します。

髄膜種とは

髄膜とは、脳および脊髄の保護のための膜の総称であり、外側から硬膜・クモ膜・軟膜という3層から構成されていおり、髄膜種とは髄膜から発生する腫瘍です。

犬や猫の脳腫瘍で、髄膜腫は最も発生頻度の高い脳腫瘍です。高齢の犬(中央値9~10歳)で発生し、長頭種(シェルティー・コリーなど)に発生が多いことが知られていますが、性差は報告されていないようです。

一般的に人の髄膜種は良性腫瘍として扱われ、予後は比較的良好ですが、犬の場合には隣接する正常組織への腫瘍細胞の浸潤を伴う悪性所見を示すものが、しばしばみられるようです。

なお、猫の場合には人と同様に、良性の場合がほとんどであるとされています。

髄膜種
髄膜から発生する腫瘍

髄膜種の症状

髄膜種は高齢犬で発生することが多いので、高齢で発症するてんかん発作やふらつきなどの神経症状がみられます。

髄膜種は、脳の病気により引き起こされる症候性てんかんの原因の一つであり、脳炎や脳血管障害などその他の症候性てんかんを引き起こす原因との鑑別が重要です。

症状のポイント
高齢で発症するてんかん発作やふらつきなどの神経症状

髄膜種の診断と治療

診断

MRI検査で、頭部断層撮影を行い診断します。脳腫瘍であることの診断は、さほど難しくないとはされていますが、最終診断は病理組織検査が必要です。

なお髄膜種は、病変が脳実質の辺縁に存在し、造影検査により著しい増強効果を示し、そして硬膜との関連性が示唆されるdural tail sign(硬膜尾徴候)がみられるという特徴がMRI画像でみられるので、これらの特徴があれば画像診断での仮診断が可能だそうです。

診断のポイント
MRIで仮診断し、病理組織検査で確定診断

治療

治療は、腫瘍の存在する位置により大きく異なります。外科手術による摘出が可能であれば、脳腫瘍の非常に大きな原容積が可能となる、最も有効な治療法であると考えられています。

また犬の髄膜種は悪性所見を伴うことが多いので、術後に放射線治療を行うことも多いそうです。

なお、抗がん剤などの化学療法は今の所有効性が明らかではないですが、いくつかの治療が奏功したとの報告があります。

治療のポイント
手術可能な位置であれば、外科手術による摘出

予後

脳腫瘍摘出を目的として開頭術が行われるようになって十数年が経っており、髄膜種の生存期間は延長してきていると考えられます。

しかし発生部位によっては、治療が難しい場合もあります。

まとめ

犬の髄膜種について解説しました。近年、犬においても開頭術が行われるようになってきていますが、まだ施設は限られています。

髄膜種の場合に手術を実施するかどうか、費用や予後を考えて担当の獣医さんと相談すると良いでしょう。

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