皮膚の病気

皮膚の病気

犬の水疱性類天疱瘡を丁寧に解説

表皮の基底膜を標的抗原とした自己抗体の産生を特徴とする自己免疫性皮膚疾患で、自己抗体が皮膚を傷害することで、皮膚に水ぶくれ(水疱)がみられます。水疱性類天疱瘡は、表皮と真皮の境にある基底膜に存在する接着因子(ヘミデスモソーム)の構成タンパクである17型コラーゲン(COL17)に対する抗体ができることによっておきる病気です。
皮膚の病気

犬の落葉状天疱瘡を丁寧に解説

表皮の角化細胞に発現している接着分子の成分を標的抗原とした自己抗体の産生を特徴とする自己免疫性皮膚疾患です。そして、犬と猫の皮膚の自己免疫性疾患で、最も多くみられる病気です。落葉状天疱瘡では、表皮の角化細胞の間に抗体が沈着することにより、表皮最上層において細胞と細胞が離解する現象が起き(これを専門用語で「棘融解」と呼びます)、膿疱(膿汁の入った水疱)などの皮膚病変が形成されます。
皮膚の病気

犬の外耳炎を丁寧に解説

鼓膜から外側の耳道に発生する急性および慢性の炎症性疾患です。外耳炎の治療が成功しないと、中耳炎および内耳炎に進行することがあります。外耳炎の発生には、炎症が発現する頻度が高くなる「素因的要因」、外耳炎を直接引き起こす「一次的要因」、治療が上手くいかない原因となる「持続性要因」などが複雑に絡み合っています。
皮膚の病気

犬の尋常性天疱瘡を丁寧に解説

表皮の角化細胞に発現している接着分子の成分(デスモグレイン3)を標的抗原とした、自己抗体の産生を特徴とする自己免疫性皮膚疾患で、天疱瘡の中で最も重症です。尋常性天疱瘡では、表皮の角化細胞の間に抗体が沈着することにより、表皮の深層において細胞と細胞が離解する現象が起き(これを専門用語で「棘融解」と呼びます)、膿疱(膿汁の入った水疱)などの皮膚病変が形成されます。
皮膚の病気

犬のシラミ症を丁寧に解説

皮膚および被毛へのシラミ・ハジラミの寄生です。犬には、宿主特異的に吸血するイヌジラミ(Linognathus setosus)とイヌハジラミ(Trichodectes canis)が存在します。特に若齢動物、世話をされていない犬、十分に餌を与えられていない犬での発生が多いです。
皮膚の病気

犬の皮膚血管炎を丁寧に解説

皮膚の血管(主に血管壁)に異常を認める疾患の総称です。血管に炎症が起きる病気を血管炎と呼び、特に皮膚の血管を中心にみられるものを皮膚血管炎と呼びます。血管炎では、血管に炎症が起きることで直接的に起きる損傷と、神経や臓器などへの血液が途絶えたり減少することによる、間接的な損傷が起きる場合があります。そのため症状は、侵された血管の太さや位置、侵された臓器の損傷の程度によって異なります。
皮膚の病気

犬の紅斑性天疱瘡を丁寧に解説

落葉状天疱瘡の軽症型、あるいは天疱瘡とエリテマーデスの交差型と考えられている自己免疫性皮膚疾患です。ヒトの紅斑性天疱瘡は、デスモソーム(デスモグレイン1)に対する自己抗体を有し、落葉状天疱瘡に移行することがあるので、落葉状天疱瘡の亜型(本来の型から派生して出来たもの)とも考えられています。犬の紅斑性天疱瘡もヒトと同様に、落葉状天疱瘡の軽症例とも考えられています。
皮膚の病気

犬の皮膚組織球腫を丁寧に解説

皮膚にできた組織球の良性の腫瘍です。より正確には、は皮膚にできた表皮ランゲルハンス細胞の反応性増殖です。皮膚組織球腫は、比較的急に増大する境界明瞭な赤色のドーム状の"できもの"が典型的な症状です。この病変は、頭部、耳、四肢でよく発生します。診断は、針生検です。
皮膚の病気

犬の膿皮症を丁寧に解説

犬の皮膚で細菌が増殖する病気です。犬の皮膚病では、膿皮症は非常に多い病気です。細菌が毛穴や皮膚表面に感染したものを表在性膿皮症、真皮や皮下組織で感染したものを深在性膿皮症と呼びます。表在性膿皮症は、皮膚あるいは皮膚のバリア機能の異常が原因で、細菌が感染するとされています。
皮膚の病気

犬の多形紅斑/中毒性表皮壊死症を丁寧に解説

多形紅斑と中毒性表皮壊死症は、共に皮膚の過敏症という似た特徴を持つ病気です。軽症タイプが多形紅斑、重症タイプが中毒性表皮壊死症と考えられています。多形紅斑は、赤く盛り上がった斑状の病変を特徴とする炎症性皮膚病であり、中毒性表皮壊死症は、全身の皮膚が紅くなり、擦るだけでズルズルと剥離し、まるで火傷のようになる重篤な皮膚病です。
皮膚の病気

犬のノミアレルギー性皮膚炎を丁寧に解説

ノミの感染に伴うアレルギー性皮膚炎です。ノミが原因で起こる犬の病気は、ノミ刺症とノミアレルギー皮膚炎の二つがあります。犬でも猫でも寄生しているノミは、ほとんどがネコノミ(Ctenocephalides felis)です。犬の92%以上と猫の97%以上が、ネコノミ感染です。
皮膚の病気

犬の耳血腫を丁寧に解説

血液が耳の皮膚と軟骨組織の間に貯留し血腫を形成したものです。耳血腫の原因はいまだに明確ですが、有力な説は外耳炎などに伴う痛みや痒みのために頭を強く振ったり掻いたりすることによって発症するというものです。そのため、特に垂れ耳の犬では毛細血管が破れる危険性が高いとされています。