犬のシラミ症を丁寧に解説

この記事では、犬のシラミ症について原因、症状、診断そして治療を、現役獣医師が解説しています。

対象読者
  • 動物病院でシラミ症と診断されたor疑われている犬の飼い主
  • 皮膚の痒みがみられる犬の飼い主
  • 犬のシラミ症について知りたい獣医学生や動物看護師

最後まで読むだけで、シラミ症について誰にでもすぐに理解できるように作成しているので、是非一度目を通していただけると嬉しいです。

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シラミ症とは

シラミ症とは、皮膚および被毛へのシラミ・ハジラミの寄生です。犬には、宿主特異的に吸血するイヌジラミ(Linognathus setosus)とイヌハジラミ(Trichodectes canis)が存在します。

特に若齢動物、世話をされていない犬、十分に餌を与えられていない犬での発生が多いです。

シラミの基礎知識

シラミは、昆虫綱咀顎目シラミ亜目に属する昆虫の総称です。そして、全種が血液や体液を吸う寄生生物です。

広義には、咀顎目のうち寄生性のものの総称でもあります。この場合は、シラミ亜目のほかに、主に体毛や羽毛を咀嚼するハジラミ類が含まれます。

シラミの生態

シラミは、宿主上で3週間の一生を過ごします。シラミの虫卵には特徴的な卵蓋があり、被毛上に産卵します。

シラミは犬から犬へ、あるいは猫から猫へは高率に伝染しますが、犬や猫から人へは伝染しないと考えられています。

(参考)ヒトのシラミ
ヒトではアタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミが有名です。

発生状況

  • 発生頻度
    2/5(めったにみない病気)
  • 好発年齢
    若齢の犬
  • 好発犬種
    特になし
  • 性差
    特になし

原因

シラミは、直接の接触かブラシや櫛などの媒介物を通して感染します。

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シラミ症の症状

シラミ症は、落ち着きがなくなったり痒みを訴えたりするのが典型的な症状です。そして、痒みによって脱毛や引っ掻き傷がみられます。さらに、小さな赤いポツポツがみられたり、毛並みが悪くなってしまいます。しかし、無症状の場合もあります。

重度のシラミの寄生の場合には、貧血や衰弱がみられます。

シラミ症の診断

シラミ症の診断は、シラミの検出です。シラミの検出は、①肉眼的にノミ取り櫛で検出、②顕微鏡でアセテートテープを用いて押捺標本を作成し検出、する方法があります。

症状が似ている病気

シラミ症と症状が似ている病気は、次のとおりです。

  • ノミ
  • 疥癬
  • ツメダニ症
  • 食物アレルギー
  • ノミアレルギー

シラミ症の治療

シラミ症の治療は、駆虫薬の投与です。駆虫薬の投与は、シラミが検出された犬のみならず、接触した犬も同時に治療を行います。

また、寝床、グルーミングの道具、生活環境を清掃することが推奨されます。

シラミの治療として、以下の駆虫薬が用いられます。

  • イベルメクチンの経口または皮下投与
  • セラメクチンのスポットオン製剤(商品名:レボリューション)
  • フィプロニルのスポットオン製剤(商品名:フロントラインなど)
  • フィプロニルのポンプスポレー(商品名:フロントラインスプレー)
  • イミダクロプリドのスポットオン製剤(商品名:アドバンテージ プラス)
(参考)シラミ症の過去の治療
シラミ症の過去の治療では、2%硫黄石灰、ピレスリン、ピレスロイド、カルバリル、または有機リンのシャンプー、粉剤、噴霧剤、または薬浴を週2回、2週間間隔での外用などが行われてきました。

予後

予後は良好です。

まとめ

犬のシラミ症について解説しました。この病気は、最近見ることが少なくなっており、うっかり見落とす可能性があります。

被毛をよく観察し、診断さえできれば治療は比較的容易で予後も良好です。

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