犬の脱毛症X(毛周期停止)

原因不明で、体幹部の脱毛が徐々に進行してしまう病気が犬にはあります。この病気は、健康上の問題は無いとされていますが、美容上では大きな問題となります。

ポメラニアンを飼われている方はおそらく聞いたことがある、犬の脱毛症X(毛周期停止)について解説します。

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犬の脱毛症X(毛周期停止)とは

脱毛症X(エックス)は、別名「アロペシアX(エックス)」とも呼ばれていますが、過去には「偽クッシング症候群」、「去勢反応性皮膚病」など様々な病名で呼ばれてきましたが、最近では「毛周期停止」と呼ばれるようになってきました。

脱毛症X(毛周期停止)は、全身症状や明らかな代謝異常を伴わない、体幹部を中心とした脱毛症です。

脱毛症X(毛周期停止)とは
全身症状や明らかな代謝異常を伴わない、体幹部を中心とした脱毛症

原因

脱毛症X(毛周期停止)の原因は不明です。

脱毛症X(毛周期停止)の症状

脱毛症X(毛周期停止)は、1~2歳で発症する事が多く、雌雄どちらにも発生しますが、雄の方が多いとされています。去勢または避妊手術を実施していても、発症します。

圧倒的にポメラニアンに多く発症し、その他アラスカンマラミュート、チャウチャウ、キースホンド、シベリアンハスキー、ミニチュアプードルでも発症することが知られています。

臨床症状は、全身症状や明らかな代謝異常を伴わない、体幹部を中心とした脱毛症です。脱毛は、頚部と大腿尾側そして尾から始まり、経過とともに頭部と四肢を除く体全体へと広がっていきます。

症状のポイント
体幹部を中心とした脱毛症だが、頭部と四肢は脱毛しない
ポメラニアンに多い

脱毛が始まる前に、毛質に変化が生じる事が多いとされています。具体的には、一次毛が乾燥し柔軟性が無くなり、二次毛が線毛状になるとされています。

同じ様な脱毛症を認める病気として、以下の内分泌疾患が挙げられます。

脱毛症X(毛周期停止)の診断と治療

診断

脱毛症X(毛周期停止)の診断は、特徴的な臨床症状と他の内分泌疾患の除外により行います。

内分泌疾患の除外は血液検査に加え、精密検査として甲状腺ホルモン(T4)やACTH刺激試験、そして精巣/卵巣や副腎の超音波検査などを行います。

診断の一つとして、皮膚の一部を切り取って検査する「皮膚生検」という検査を行う事があります。この検査では、毛包が休止期になっている事を確認できるのですが、その皮膚生検を行った部位にのみ発毛が見られる事があり、非常に特徴的です。

診断のポイント
特徴的な臨床症状と、他の脱毛症の除外(特に内分泌疾患)
生検部位のみの発毛

治療

脱毛症X(毛周期停止)には、これをすれば治るといった治療法は残念ながら無いのですが、いくつか発毛が期待できる治療法があります。

なおこの病気は、健康上の問題はなく美容上の問題であるとされています。しかし、治療に対する反応は様々であり、発毛がみられずに苦慮することも多いです。

去勢手術

まだ去勢手術をしていない雄犬であれば、多くの場合で去勢手術が有効であるとされています。一般に、2~4ヶ月後に発毛がみられるとされています。

酢酸オサテロン

酢酸オサテロン(商品名:ウロエース)は、犬の前立腺肥大治療薬として承認されたお薬であり、抗アンドロジェン(男性ホルモン)作用を示します。

この治療の前には、副作用の恐れがあるので血液検査を行い、糖尿病、肝障害、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)が無いことを確認してから行います。

メラトニン

メラトニンは、脳の松果体によって生成されるホルモンです。メラトニンは神経内分泌に関与し、多くの哺乳類で光周期依存性の換毛や毛色変化に影響します。毛包への直接作用や中枢神経からのメラノサイト刺激ホルモン、プロラクチンの分泌の調整などの作用があるのではないかと考えられています。

犬の脱毛症では、再発性膁部脱毛症やパターン脱毛などにも使用されることがあります。

その他

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)の治療で使われるop’-DDD(トリロスタン)を用いたり、L-システインやトコフェロールニコチン酸エステルなどを用いることもあるそうです。

まとめ

犬の脱毛症X(毛周期停止)について解説しました。この病気は、健康上の問題はないという点においてはいいのですが、美容上では大きな問題であります。

上述の通り、いくつかの治療法が報告されていますが治療の成功率は様々であり、いくつかの治療法を試してみるしかないのが現状かと思います。

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