病気辞典

腫瘍

犬の多発性骨髄腫を丁寧に解説

形質細胞(別名:プラズマ細胞)が骨髄内で悪性腫瘍化した病気です。歩行の異常や骨の痛みを訴えることが典型的な症状です。多発性骨髄腫には診断基準があり、下記4項目の内2項目を満たすこととされています。血液蛋白電気泳動でのモノクローナルガンモパチーの検出、レントゲン検査での骨融解像、骨髄検査で形質細胞が10%を超えて検出される、ベンスジョーンズタンパク尿の検出
腫瘍

犬のグルカゴノーマを丁寧に解説

膵臓α細胞の機能的な腫瘍で、高血糖などのグルカゴン過剰分泌に関連した症状がみられる病気です。高血糖や尿糖の排泄がみられ、水をたくさん飲んでたくさんおしっこをする(多飲多尿)などの糖尿病の症状がみられます。さらに、筋力の低下や体重減少などがみられます。
胃腸の病気

犬の食物アレルギー(胃腸性)を丁寧に解説

食物アレルギーは、食べ物に対して過敏に反応し、体に有害な症状が起きる病気で、食物過敏症とも呼ばれます。下痢や嘔吐が起きる消化器症状と痒みが起きる皮膚症状があります。食物アレルギーは、①他の慢性胃腸症状を示す疾患の除外と、②除去食試験で診断します。
胃腸の病気

犬の胃拡張捻転症候群を丁寧に解説

胃拡張捻転症候群とは、胃が大きく拡張することや捻転することによって生じる病気で、胸の深い大型犬や超大型犬などに多くみられる傾向があります。急にぐったりとする、お腹周りが膨らむ、腹痛、ヨダレを垂らす、吐き気、内容物の出ない嘔吐が典型的な症状です。
腫瘍

犬の骨肉腫を丁寧に解説

骨に発生する悪性腫瘍です。骨肉腫は、高い確率で肺への転移がみられます。外科手術で腫瘍を切除しても、最終的には90%以上が肺転移で死亡すると報告されています。上腕骨や大腿骨などの付属骨格の骨肉腫の場合には、歩行の異常がみられます。症状が進行した場合、最終的に骨折を起こしてしまいます。
胃腸の病気

犬のパルボウィルス感染症を丁寧に解説

犬パルボウイルスの感染によって起こる病気です。特に子犬では、重度の胃腸症状を起こし死亡する場合もあります。離乳期後の生後4~12週齢の移行抗体が低下する頃に、感染のピークを迎えます。その後、4ヶ月齢までは感染がしばしばみられます。パルボウイルス抗原検査キットが診断に有用です。
内分泌器官の病気

犬の尿崩症を丁寧に解説

尿崩症とは、腎臓でできた尿を十分に濃縮することができず、希釈された多量の尿が出る病気です。診断は、まず正確な飲水量を把握し、その後に尿検査を実施します。血液検査で腎不全などの他の病気が否定され、尿比重が常に<1.006であれば、尿崩症が強く疑われます。
腫瘍

犬のガストリノーマを丁寧に解説

ガストリンというホルモンを過剰に分泌する腫瘍で、胃酸の分泌過剰に関連した症状を起こす病気で、主に膵臓や十二指腸でみられる腫瘍です。慢性嘔吐、元気や食欲の低下、体重減少、吐血、血便(黒色便)、粘膜蒼白、そして腹痛などの消化器症状がみられます。診断が困難な腫瘍のひとつであり、血液検査、レントゲンや超音波検査などの画像検査、内視鏡検査などを行い、総合的に判断していきます。
胃腸の病気

犬のコクシジウム症を丁寧に解説

イソスポーラ属の寄生虫が腸管に感染し下痢を引き起こす病気です。イソスポーラ属の寄生虫は、小腸の細胞内で増殖し、その細胞を破壊するので、腸管粘膜の損傷が引き起こされます。特に、子犬は重症化する恐れがあります。下痢が主な症状で、急性の下痢の場合もあれば、間欠的または慢性の下痢となる場合もあります。
内分泌器官の病気

犬の副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)を丁寧に解説

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)は、副腎皮質ホルモン(コルチコステロイド)が過剰な状態です。この病気は臨床症状が多様で、水をよく飲んでおしっこをたくさんする多飲多尿、食欲亢進、お腹がビール腹のように大きく(主に肝臓の肥大が原因)なる、手足の毛以外の部分の脱毛、皮膚が紙のように薄くなる、などの変化がみられます。
内分泌器官の病気

犬の副腎皮質機能低下症(アジソン病)を丁寧に解説

副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌が、生体の必要量以下に低下するする病気です。症状としてミネラルコルチコイド不足に起因する、循環不全、低血圧症、腎不全、高カリウム血症、グルココルチコイド不足に起因する食欲不振、体重減少、低血糖状態などがみられます。
腫瘍

犬の骨髄性白血病を丁寧に解説

白血病は、血液のがんです。骨髄性白血病とは、骨髄の骨髄系の過程の細胞が腫瘍性増殖したものです。腫瘍化した骨髄内の腫瘍細胞(白血病細胞)は、徐々に増殖し骨髄を占拠していきます。そうすると、正常な血球系細胞が減少し、貧血、好中球減少、血小板減少などがみられるようになります。