病気辞典

泌尿器の病気

犬の尿路結石(尿石症)を丁寧に解説

尿路結石とは、腎臓から尿道までの尿路に結石が生じる病気です。尿路とは、尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道のことです。尿路結石の80%以上は、ストルバイトとシュウ酸カルシウムです。そして、ストルバイトとシュウ酸カルシウムの発生比率は、ほぼ1:1です。尿路結石は、発生場所により症状が異なります。
胃腸の病気

犬の炎症性腸疾患(IBD)を丁寧に解説

炎症性腸疾患とは、胃や小腸そして大腸などの消化管に炎症を起こす慢性疾患の総称で、慢性下痢の原因となる代表的な病気のひとつです。慢性の消化器症状として嘔吐、下痢、食欲不振、そして体重減少などがみられます。炎症性腸疾患と診断には、以下の5つのポイントに留意する必要があります。
腫瘍

犬の扁平上皮癌を丁寧に解説

皮膚や口腔などの体の表面を覆う扁平上皮が腫瘍性増殖した悪性腫瘍です。犬の扁平上皮癌の代表的なものに、皮膚の扁平上皮癌と口腔の扁平上皮癌の2つのタイプがあります。皮膚の扁平上皮癌は、犬の皮膚腫瘍の約6%を占めます。口腔の扁平上皮癌は、3大口腔内悪性腫瘍の一つです。
腫瘍

犬の乳腺腫瘍を丁寧に解説

乳腺に発生する腫瘍で良性の場合と悪性の場合があり、悪性と判明すると乳腺癌と呼ばれます。乳腺腫瘍の良性と悪性の比率は1:1です。ただし、小型犬の方が大型犬に比べて、良性腫瘍の比率が高いです。卵巣からのホルモン(エストロジェンやプロジェステロン)が、乳腺腫瘍の発生原因となります。
泌尿器の病気

犬のファンコーニ症候群を丁寧に解説

ファンコーニ症候群は、腎臓の(近位)尿細管の機能が低下することで、ブドウ糖などが過剰に尿中に排泄される病気です。原因は遺伝性と後天性がありますが、遺伝性の代表犬種はバセンジーです。診断は、電解質異常や酸塩基平衡異常に加えて、高血糖を伴わない尿糖などの、尿細管の機能の低下を証明することです。
泌尿器の病気

犬の尿道閉塞を丁寧に解説

尿道閉塞は、尿結石や基質に生じた下部尿路の閉塞と定義されています。犬の尿道閉塞の原因として最も多いのは、雄犬の尿道結石があります。完全な尿道閉塞を起こすと、排尿ができなくて無尿となります。この場合、腎後性の急性腎不全が起こるので、緊急処置が必要となります。
腫瘍

犬のメラノーマ(黒色腫)を丁寧に解説

色素細胞(メラノサイト)が腫瘍性増殖化したものです。発生部位により皮膚メラノーマ、口腔内メラノーマ、爪床メラノーマ以下の3つに分類され、それぞれで悪性度が異なります。皮膚メラノーマの症状は、皮膚のできものです。腫瘍細胞がメラニン顆粒を含むため、黒色もしくは褐色のできものとしてみられますが、メラニン顆粒を含まないメラノーマも存在します。
胃腸の病気

犬の急性膵炎を丁寧に解説

急性膵炎は、さまざまな原因で急激に膵臓に炎症が生じる病気です。急性の食欲不振や嘔吐そして腹部圧痛などが、急性膵炎の典型的な症状で、下痢を伴うこともあります。血液検査では炎症マーカー(CRP)の高値がみられ、超音波検査では急性膵炎に特徴的な所見を認めることがあります。追加検査として、犬膵特異的リパーゼ(Spec-cPL)を測定します。
腫瘍

犬の肥満細胞腫を丁寧に解説

肥満細胞が腫瘍性増殖したもので、犬の皮膚腫瘍では最も発生頻度が高い腫瘍です。症状は、皮膚(真皮や皮下組織)のできもので、その病変部分で脱毛がみられる場合もあります。針生検で診断を行い、細胞質内に深紫色に染まる顆粒がみられることが特徴です。治療は、外科手術や放射線療法による局所の治療を行います。
胃腸の病気

犬の膵外分泌不全を丁寧に解説

膵外分泌不全とは、膵臓からの消化酵素の分泌が低下し、消化不良になる病気で、食欲が増進するにも関わらず体重が減少するのが特徴的な症状です。また、「未消化の脂肪により白みを帯び、表面に光沢があり、匂いの強い便」というのが典型的な膵外分泌不全の便です。
胃腸の病気

犬の抗菌薬反応性腸症を丁寧に解説

抗菌薬反応性腸症は、抗菌薬に反応し改善する下痢と定義されます。慢性下痢と体重減少がよくみられ、時に嘔吐もみられます。原発性の抗菌薬反応性腸症は、以下の診断基準が提唱されています。抗菌薬の投与によって速やかに症状が改善すること、抗菌薬の減量または中止により症状が再発すること、再発後、抗菌薬の再投与により再び改善すること。
腫瘍

犬の血管肉腫を丁寧に解説

血管内皮細胞が腫瘍性増殖したもので、脾臓に最も多く発生する腫瘍です。脾臓の2/3ルールというものが存在します。これは、脾臓でみつかったできものの2/3は悪性腫瘍で、そのさらに2/3が血管肉腫であるというルールです。腫瘍が大きくなったり、腹水が貯留することで、お腹が膨らんでくる症状がみられます。